この記事について
ご覧いただきありがとうございます。こちらはAudible(オーディブル)でのオーディオブック版《硝子の塔の殺人》のレビュー記事となります。書籍版のレビューではありませんが、書籍版に興味を持って検索からこちらをご覧になられた方もぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。どうぞぜひ素敵なオーディオブックライフ&ブックライフを。
作品情報
硝子の塔の殺人
著者：知念実希人
ナレーター：高梨謙吾
再生時間：18時間11分
配信日：2021/07/30
言語：日本語
制作：Audible Studios
カテゴリー：ミステリー・スリラー・サスペンス
書籍：作家デビュー10年 実業之日本社創業125年 記念作品
あらすじ・解説
公式より引用
雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。さらに、血文字で記された十三年前の事件……。謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。著者初の本格ミステリ長編、大本命！
作品紹介
妻が大の知念実希人ファンでして。今回は知念実希人作品の中から《硝子の塔の殺人》を。知念作品は2021年7月に初Audible化からものすごいペースで音声化されていっており、選びたい放題。その中でサンプルを聴いて、好みの朗読をしてくれている作品をとナレーター基準から聴く作品をチョイスしました。
ナレーター・高梨謙吾さんの朗読は大変聴きやすい、万人受けする朗読でしょう。高梨さんの朗読はきっと、その聴きやすい朗読から、今作に限らず音声化した作品はどれもオーディオブック入門編に最適になると思います。小説を音声化をする際にナレーターの技量を問われるのが“異性の声の聴かせ方”なのですが(と僕は思っています)、高梨さんはそれが上手いアクターの1人です。
著者・知念実希人さんの作品といえばどんでん返しが特徴でしょう。ミステリー作品らしい「…マジか」となるようなどんでん返しが待ってます。それと、作家であり医師でもある知念さんらしい医学的知見が盛り込まれてるのも他にはない魅力です。あとあと、ミステリー作品なのだけど時々文体にラノベ的な“イマドキ感”を感じるのも個性です。
さてさて今作《硝子の塔の殺人》、18時間の超大作です。語り手が犯人というタイプの作品、そこに名探偵が登場し、物語が続いていくのですが。名探偵がみんなの前で犯人を言い当てる…というミステリー小説での1番大事なシーンが今作にもあります。が…あれ？少し早くないか？まだオーディオブックは結構残ってるぞ？と思ったのが本音。しかしその後の物語の終わり方が最高でした。その後どんなふうになったのかは…オーディオブックをお聴きください(ニヤリ)
ちなみに、僕はこれまでミステリー小説をそれほど多く読んだことがないのですが今作はミステリー小説好きじゃなくても楽しめます。楽しめるというかミステリー小説への入門編としてもオススメなのではないでしょうか。そして大のミステリーマニアにはニヤリとするような多くの名作ミステリー小説の事が作中に出てくるのでそういった意味でもかなり楽しめると思います。つまり、ミステリー小説初心者からミステリー小説マニアまで楽しめる素晴らしい作品なのです。
超大作、聴きごたえたっぷりのAudible版《硝子の塔の殺人》、濃厚な18時間をお楽しみください。
追記
妻に「まぁ沢山の名作ミステリー小説のアレコレが出てくるんだよ。ギムレットとかもそうだし」と言ったら全く通じませんでした。「あれだよ、ロンググッドバイだよ」と言ってもやっぱり全く通じませんでした。そうでした、妻はミステリー小説マニアではなく知念実希人マニアでした…。
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