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オーディオブック ~声を愉しむ暮らし~

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《Audible》天気の子 / 新海誠 / 醍醐虎汰朗 森七菜

2020年8月28日、noteにて投稿した記事を再投稿。
※《koe-no-hon》への記事移動に伴いnote元記事は削除
※記事中に紹介しているWritone作品は今後《koe-no-hon》にて少しずつ紹介していく予定です

 

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 作品情報

天気の子
著者:新海誠
ナレーター:醍醐虎汰朗 / 森七菜
再生時間:7時間10分
制作:KADOKAWA
配信日:2020年8月28日

 

作品紹介

本日・2020年8月28日リリースのAudible版《天気の子》。
(※執筆中に日付が変わってしまいました…泣)
リリースが朝9時という事でワクワクしながら朝を迎え。ていうか電子書籍・Kindle版《天気の子》が以前0時に配信開始したのと同じようにAudible版も0時に配信開始してくれればいいのにとか、せめて6時くらいの仕事が始まる前の段階で配信開始してくれればいいのにとか言いたくなるのをグッと堪え、9時、仕事開始と同時にダウンロード。
それから1日中オーディオブックを聴きつつデスクワークをし夕方には聴了。つまり今、余韻に浸っている真っ最中の記事執筆。今回のオーディオブックはどうしてもすぐに記事したい衝動に駆られた。それぐらい素晴らしい作品だった。

 

新海誠作品オーディブルプロジェクトの作品は《君の名は》《言の葉の庭》《君の名は。 Another Side:Earthbound》《秒速5センチメートル》(※配信順に記載)、全て聴了済みだけど、プロジェクトの中で、映画としてではなく小説としてではなく、オーディオブックとして本当に進化している。

 

そして今回の《天気の子》は、急速に成長するオーディオブック文化において朗読表現の次のステップに突入した、現時点での最高傑作。朗読文化はさらに違う次元へ行けるよと、ハッキリと示した最高傑作。

 

 

僕はこれまでオーディオブックを30冊以上聴了、また、音声小説コンテンツWritoneにてライターとして活動し100人以上のアクターから400回の音声化をして頂いた経験上、誰よりもオーディオブック文化のさらなる可能性を信じているという自負がある。
(※なのでぜひオーディオブックに関する執筆依頼をください。はぁと)

 

Audibleでいえば。
伊坂幸太郎•殺し屋3部作《グラスホッパー》《マリアビートル》《AX》を音声化した原島梢と織江珠生はアナウンサーのような綺麗な滑舌で小説の世界観をクリアに届けてくれる朗読。
(《AX》のエンディング、聴く度に泣いちゃうんですけど)

 

池井戸潤《陸王 》《ノーサイド•ゲーム 》を音声化した高川裕也は、ヒリヒリとした、小説の世界観へ惹き込む朗読。
(池井戸潤と高川裕也、このコンビって絶対的に合う組み合わせだよね)

 

又吉直樹《火花 》を音声化した堤真一は俳優としての表現、高い熱量で聴き手を包みこんでくるような朗読。
(オーディオブック未体験の方にAudibleをオススメする時、僕は必ずこの作品を推します)

 

森見登美彦《ペンギン•ハイウェイ》《夜は短し歩けよ乙女》を音声化した安國愛菜は発声やリズムなど声優の表現技法の物凄いクオリティでの朗読。
(このコンビ、最強。安國愛菜はオーディオブック界で天下とれる人だと思います。天下一武道会出ればいいのに。オーディオブック界の天下一武道会ってなんなの)

 

そして同じく声優、《トリックオブライト》を音声化した花澤香菜の声は圧倒的、その声があるだけで満たされる、そんな朗読。
(いいよね、うん、いいよ。すごくいいのよ花澤香菜。)

 

Writoneでいえば。
アナウンサー的な綺麗な朗読といえば小宮千明。
(詩 / 元気でいますか)


声優的な表現で言えば、Writoneが誇る声優のたまご•文月水咲。
(短編小説 / ナミダのワケ)


その声があるだけで心が満たされる、と言えば大原みゆ。
(詩 / 繰り返す毎日を)


眠りに誘うような癒しの声、シンガーソングライターの実咲。
(童話 / なにかのたまご)

 

演劇的な熱量を秘めたヒリヒリ感•日野あらし。
(短編小説 / 所謂、1つの所信表明)


良い声を、イケボをストレートに聴かせてくれる・水平ゆーぐれ。
(詩 / STAND UP, BOY!)


圧倒的ゆる感•はったいこ。
(会話劇 / ダイとワタル)

 

それにWritoneにはラジオDJもいるぞ•ようじろう。
(コラム / ミルクティー)

 

Writoneの方はさりげなく全作品、僕が書いた作品をアピールしていてごめんなさい。尚、反省はしていない、なんならもっと自分の書いたものをアピールしたいくらい。ふふ。

沢山の素晴らしいアクターたちの朗読を聴いて、アナウンサー的な滑舌の朗読、俳優的な朗読、声優的な朗読など、それぞれの魅力を日々体感し熟知しているけれど、《天気の子》のその朗読は、そう言った朗読タイプというか“くくり”を飛び越えて、オーディオブックの新時代を予感させるものだった。

醍醐虎汰朗と森七菜の朗読のベースは俳優的な朗読に位置すると思うのだけど、滑舌はしっかりしていて読み方も丁寧。基本的には安定した声で物語が耳に届く。セリフ部分も声劇に寄りすぎない、俳優的になりすぎない、しかしセリフの熱量はしっかり声に乗せる、絶妙なバランス。それでも俳優としての表現技法は細部に散りばめられていて、例えば冒頭、声に笑いを含めませたところなど、それが朗読のリズムに良いアクセントとなり心地良く物語に溶け込ませてくれる。2人とも登場人物の声分けがとても上手く、聴きながら「あれ、今の言葉は誰?」となったりせず。というか声分けが上手すぎて本当に驚き、感動した。

醍醐虎汰朗の森七菜のパート分けも絶妙。そのパート分けだけでも、この新海誠作品オーディオブックプロジェクトが進化していることを実感。

 

オーディオブックは小説の延長上のモノ。悪く言ってしまえば小説のオマケ。実際オーディオブックを人に勧めると「本読めばいいじゃん」でシャットアウトされちゃうことは多いし、小説の延長上のモノという、まだそんなふうなイメージが一般的だろう。でも《天気の子》はそれを越えてゆくオーディオブック。きっとこの作品に出会った人はオーディオブックの魅力を存分に知ることになる。映画や小説とは違ったその魅力を知る人がもっともっと増えたならオーディオブックはこれから映画のように小説のように認知させ、さらに育っていくだろう。

Audible版《天気の子》。それは7時間10分の声の旅で完結する美しい作品。聴了後も余韻に浸り続けることのできる美しい作品。どうかぜひ皆さんにも体感していただきたい。

 

最後に。
僕はWritoneライターである。かつAudibleヘビーユーザーである。どちらの魅力も知っている上で言うが、オーディオブックはまだ未完成な、発展途上のコンテンツ、大いなる可能性を秘めたコンテンツで、オーディオブックを進化させていくのは Writone勢だと思っていた。1つの物語を多くのアクターがそれぞれの解釈で表現し音声化していくWritoneの方が進化スピードが速いと考えていたからだ。ところがWritoneは今や停滞コンテンツとなり、そしてAudibleでは《天気の子》が進化を示した。正直に言うと、悔しい。Writoneにだって素晴らしいアクターやライターが沢山いるのに、進化を示したのはWritone勢ではない。僕らももっと頑張らねば。そしてもうひとつの純粋な気持ちを言うと、美しい作品に出会えて嬉しい。Audible版《天気の子》を聴けて良かった。ありがとう。

以上、Enjoy Audible、《天気の子》。
さぁ次はどんな作品に出会えるかな。

 

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